問題社員5 会社に無断でアルバイトをする。

 会社に無断でアルバイトしている社員がいる場合は、まずはよく事情聴取する必要があります。
 アルバイトしている事実が確認され、それが企業秩序を乱すようなものである場合は、口頭で注意、指導して、アルバイトを辞めてもらうことになります。
 会社に無断でアルバイトしている社員に対し、アルバイトを辞めるよう促した場合、アルバイトを辞める旨の回答が得られるケースがほとんどです。

 単にアルバイトを辞めるよう説得するにとどまらず、会社に無断でアルバイトをした社員に対し、何らかの処分をしようとする場合は、話しは簡単ではありません。
 就業時間外の行動は自由なのが原則のため、社員の兼業を禁止するためには、就業規則に兼業禁止を定めて、兼業禁止を労働契約の内容にしておく必要があります。
 そして、何らかの処分をするためには、兼業により十分な休養が取れないなどして本来の業務遂行に支障を来すとか、会社の名誉信用等を害するとか、競業他社での兼業であるとかいった事情が必要となります。
 企業秩序を乱すようなアルバイトを辞めるよう注意、指導しても辞めようとしない場合は、書面で注意、指導し、それでも改善しない場合は、懲戒処分を検討することになります。
 解雇までは難しい事案が多く、紛争になりやすいので、解雇に踏み切る場合は、その有効性について慎重に検討すべきでしょう。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 


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