労働問題13 解雇した覚えがないのに出社しなくなった労働者から、口頭で即時解雇されたから解雇予告手当を支払えと請求されています。どう対応すればいいでしょうか?

 使用者は解雇した覚えがないのに、出社しなくなった労働者から、口頭で即時解雇されたとして解雇予告手当の請求を受けることがあります。このような主張がなされる一番の原因は、出社しなくなった社員に対し出勤を催促したり、退職届を取得するのを怠ったりしたことにあります。
 突然、出社しなくなった社員に対しては、必ず出勤を催促して下さい。まずは電話を掛け、それでも出勤しない場合には、電子メールや書面での催促をすることになります。
 本人が、会社を辞めると口頭で言ってきた場合は、必ず退職届を提出させるようにして下さい。自分から会社を辞めると言っておきながら、退職届を提出していないのをいいことに、解雇されたと後から言い出す問題社員が後を絶ちません。
 退職届が提出されている事案、退職勧奨もしていないのに勝手に自己都合で辞めたいと言い出した労働者が解雇予告手当の請求をしてきたような悪質な事案等の場合は、最後まで解雇予告手当の支払を拒絶するのが原則的対応です。他方、退職勧奨により辞めてもらうようなケースで、退職届の提出もないような事案については、辞めてもらうために必要なコストだと思って、退職合意書を作成し、署名押印させた上で、解雇予告手当相当額程度は支払ってあげて解決することもあります。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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