労働問題11 30日前に予告すれば、社員を自由に解雇することができますよね?

 30日前の予告というのは、使用者が労働者を解雇しようとする場合には、原則として、30日以上前に解雇の予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないこと(労基法20条)を念頭に置いている質問と思われますが、労基法20条は解雇予告等について定めた条文に過ぎず、同条を遵守したからといって直ちに解雇が有効になるものではありません。
 30日前に予告してから解雇したとしても、解雇に客観的に合理的な理由がなかったり、解雇が社会通念上相当でなかったりすれば、解雇権を濫用したものとして解雇は無効になります(労契法16条)。
 また、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間の解雇、女性労働者の妊娠、出産、産前産後休業等を理由とする解雇、労働基準法違反の申告を監督機関にしたことを理由とする解雇、性別を理由とする解雇、不当労働行為の不利益取扱いとなる解雇、公益通報をしたことを理由とする解雇等、一定の場合については、法律上解雇が制限されており、これらに反する解雇は無効となります。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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