労働問題84 社員の態度が悪いため改善するよう指導したところ口論になり、当該社員は会社を辞めると言い残して退職届も提出せずに出て行ってしまいました。どのように対応すればいいでしょうか?
まずは、本人と連絡を取って、会社を辞めるのであれば退職届を提出するよう促して下さい。
退職届等の客観的証拠がないと、口頭での合意退職が成立したと会社が主張しても認められず、解雇したと認定されたり、解雇もなく合意退職も成立していないからまだ在職中であると認定されたりすることがあります。
退職届を提出するよう促しても提出しない場合は、電子メールか書面で、会社を辞めるのであれば退職届を提出するよう促すとともに、退職する意思がないのであれば出社するよう促し、解雇していない事実を明確にして下さい。
最近では、使用者や上司を挑発して解雇の方向に話を誘導して会話を無断録音し、後になってから不当解雇だと主張して多額の解決金を獲得しようとする問題社員が増加しています。
自ら進んで退職届を提出したのでは会社からお金を取れませんが、解雇されたことにして争えばある程度の解決金は取れると考える問題社員も中にはいるということです。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎