労働問題613 午前0時を過ぎて2暦日にわたって残業した場合の残業代の計算方法を教えてください。
1.通常の労働日に2暦日にわたって残業した場合
通常の労働日に2暦日にわたって残業した場合、午前0時をもって労働時間を分断するのではなく、前日の労働として通算して計算します。
例えば、所定労働時間8時間、始業時刻午前9時、終業時刻午後6時、休憩1時間の会社において、午前9時から翌日の午前6時まで(休憩2時間)働いた場合の時間外労働時間は11時間(=30時(翌午前6時)-午前9時-休憩2時間-所定労働時間8時間)となり、深夜労働時間は22時~翌5時までの7時間となります。
2.通常の労働日の残業が翌日の始業時刻まで及んだ場合
上記1と同じ会社において、午前9時から翌日の午後12時まで(休憩時間3時間)働いた場合、時間外労働は翌日の始業時刻で一旦切り、翌日の始業時刻からは通常の労働時間の開始として計算します。
具体的には、1日目の労働時間を2日目の午前9時までと考えますので、2日目の午前9時を1日目の33時と考え、33時-9時(1日目の始業時刻)-休憩3時間-所定労働時間8時間=時間外労働時間13時間となります。2日目の午前9時から午前12時までの3時間は、通常の労働時間ですから、残業代は発生しません。また、1日目の22時~翌5時までの7時間は深夜労働時間となります。
3.翌日が法定休日の労働日に2暦日にわたって残業した場合
労基法上の「休日」とは暦日を指し、午前0時から午後12時までをいいますので、残業が法定休日の午前0時を過ぎた場合、午前0時からの労働は、法定休日労働として扱うことになります。
上記1と同じ会社で午前9時から翌日の午前6時まで(1日目に休憩時間2時間取得)働いた場合、前日の時間外労働時間は5時間(=24時(午前0時)-始業時刻午前9時-休憩2時間-所定労働時間8時間)となり、1日目の深夜時間外労働時間は午後10時から午後12時の間の2時間となります。そして24時(午前0時)以降は法定休日の労働時間となりますので、休日労働時間6時間(午前0時から午前6時)、深夜労働時間5時間(午前0時から午前5時)となります。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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