労働問題546 試用期間中であれば自由に本採用拒否できますか。

 試用期間を設けていたとしても,使用者と労働者の間では,労働契約が成立している以上,その契約の一方的解消は解雇の一形態ですから,本採用拒否の有効性は,解雇権濫用法理に基づいて検討することになりますので,自由に本採用拒否することはできません。
 本採用拒否は,通常の解雇よりも広い範囲で行使することが可能とされていますが,必ずしも通常の解雇よりも緩やかに判断されているわけではありません。
 本採用拒否が認められるのは,試用期間中の勤務状態等によって初めて判明した事実であり,当該事実が正社員としての適格性を失わせるといえる場合などです。例えば,経歴詐称,勤務成績の不良,業務遂行能力の不足,勤務態度の不良,非協調性が挙げられます。

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