労働問題529 雇入れから14日以内の試用期間中の労働者は解雇予告義務等の適用がないのですから、自由に解雇できますよね。
たしかに、試用期間中の労働者で雇い入れから14日以内であれば解雇予告義務及び解雇予告手当支払義務は生じません。
しかし、この規定は、あくまでも解雇予告義務及び解雇予告手当支払義務が生じないというだけで、解雇権濫用法理(客観的に合理的な理由を有し社会通念上相当であること)及び個別法令による解雇制限、当事者自治による規制(労働協約、就業規則等)が適用されなくなるわけではありませんので、解雇が有効かどうかは別問題です。
雇入れから14日以内の労働者を解雇した場合であっても、解雇に客観的に合理的な理由がなかったり、解雇が社会通念上相当でなかったりすれば、解雇権を濫用したものとして解雇は無効になります(労契法16条)。
解雇が無効と判断された場合には、当該労働者が就労していなかったとしても解雇をした以降の賃金も支払わなければならなくなりますので、誤解のないよう注意が必要です。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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