労働問題525 年次有給休暇について、時季変更権を行使できるのはどのような場合ですか?
年次有給休暇は労働者が時季指定をすることによって発生しますので、使用者が時季変更権を行使できるのは、「事業の正常な運営を妨げる」という例外的な場合に限られます。使用者には労働者が時季指定をした日に有給休暇を取得できるよう配慮することが求められています。
「事業の正常な運営を妨げる」とは、その労働者の従事する業務組織の運営上、その労働者が年次有給休暇を希望する日に不可欠な要員であり、他に代替要員の手配が容易にできない場合をいいます。
「事業の正常な運営を妨げる」といえるかは、諸般の事情を総合考慮して個別的に行うことになりますが、一般的な考慮要素としては以下のものが挙げられます。
・会社の事業規模、業務内容
・その労働者の担当業務の内容、性質
・業務の繁閑
・代替要員確保の難易
・他の労働者との調整の有無
・指定された有給休暇の日数
・休暇取得に関するこれまでの慣例など