労働問題513 割増賃金計算の基礎となる賃金を教えてください。
割増賃金計算の基礎となる賃金(基礎賃金)とは、次の除外賃金を除いた賃金のことをいいます。
① 家族手当
② 通勤手当
③ 別居手当
④ 子女教育手当
⑤ 住宅手当
⑥ 臨時に支払われた賃金
支給条件は確定されているが支給事由の発生が労働と直接関係のない個人的事情によりまれに生じる賃金をいいます。例えば、結婚や子の出生に対する祝金、病気見舞金などが挙げられます。
⑦ 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
1か月を超える一定期間の勤続勤務に対して支給される勤続手当や賞与などが挙げられます。ただし、年俸制において、毎月払の部分と賞与部分を合計してあらかじめ年俸額が確定している場合の賞与部分は、⑦の賃金には該当しません。
上記①~⑦の名目でありさえすれば、除外賃金に該当するわけではなく、除外賃金該当性は実質で判断します。例えば、住宅手当という名目であっても、個々の労働者の住宅費用等に関わらず一律で支給しているものは除外賃金には当たりません。他方で、「生活手当」といった上記以外の名目であったとしても、実質が扶養家族の有無・数によって算定される手当であれば、除外賃金に該当します。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
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