労働問題292 「労働時間を算定し難いとき」とは、どのような場合のことをいいますか。
「労働時間を算定し難いとき」とは、当該業務の勤務実態等の具体的事情を踏まえて、社会通念に従って判断すると、使用者の具体的な指揮監督が及ばないと評価され、客観的にみて労働時間を把握することが困難である例外的な場合をいうと考えるのが一般的です。
阪急トラベルサポート(派遣添乗員・第2)事件最高裁平成26年1月24日第二小法廷判決は、どのような場合に「労働時間を算定し難いとき」に該当するかに関し一般的な判断基準を示していませんが、派遣添乗員の業務が「労働時間を算定し難いとき」に該当するかを判断するに当たり、業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、阪急交通社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等を検討していますので、「労働時間を算定し難いとき」に当たるかを判断するに当たっては、
① 業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等
② 使用者と社員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等
が重要な考慮要素となるものと思われます。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎