労働問題247 就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間について、残業代を支払う必要があるかどうかは、どのような基準で判断すればいいのですか。

 まず、
  就業規則や労働契約において、就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間について、残業代を支払う旨定められているなどして、残業代を支払うことが労働契約の内容となっている場合
には、当然、残業代を支払う必要があります。
 このような定めがない場合であっても、
  就業時間外に行われる研修、講習、自主活動等の時間が、労基法上の労働時間に該当する場合
には、18時間、週40時間(特例措置対象事業場では週44時間)を超える労働時間については、残業代(時間外割増賃金)を支払う必要があります(労基法371項)。
 問題は、研修等の時間が労基法上の労働時間に該当するかどうかですが、その判断基準については、「労働者が使用者の実施する教育、研修に参加する時間を労働時間とみるべきか否かについては、就業規則上の制裁等の不利益な取扱いの有無や、教育・研修の内容と業務との関連性が強く、それに参加しないことにより本人の業務に具体的な支障が生ずるか否か等の観点から、実質的にみて出席の強制があるか否かにより判断すべきものである。」(厚生労働省労働基準局編集『平成22年版 労働基準法 上』)と考えるのが一般的です。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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