労働問題217 出来高払(歩合給)制の場合にも残業代(割増賃金)を支払う必要がありますか。
出来高払制その他請負制によって定められた賃金(歩合給)は、除外賃金(労基法37条5項・労基則21条)に該当しませんので、出来高払(歩合給)制の場合であっても、残業させれば残業代(割増賃金)を支払う必要があります。
出来高払(歩合給)制における残業代(割増賃金)算定の基礎となる通常の労働時間・労働日の賃金は、以下の計算式により算出されます(労基則19条1項6号)。
出来高払(歩合給)制における残業代の基礎となる賃金
=出来高払(歩合給)制によって計算された賃金の総額
÷当該賃金算定期間における総労働時間数
出来高払(歩合給)制の給料(歩合給)部分については、月給制を採っている場合であっても、一月平均所定労働時間数ではなく、「総労働時間数」で割るのが特徴的です。
所定労働時間内に160時間働き、40時間残業した場合は、総労働時間数が160時間+40時間=200時間ですから、出来高払制における残業代(割増賃金)の基礎となる通常の労働時間・労働日の賃金は、出来高払制によって計算された賃金の総額を200時間で割って計算することになります。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎