労働問題214 労基法37条5項、労基法施行規則21条には残業代(割増賃金)が除外賃金として掲げられていないため、残業代(割増賃金)算定の基礎から除外することはできないのでしょうか。
労基法37条5項、労基法施行規則21条には残業代(割増賃金)が掲げられていませんが、残業代(割増賃金)の趣旨で支給する手当については、これを残業代(割増賃金)の基礎に算入すると、趣旨が重複するため、残業代(割増賃金)の基礎賃金から除外することになります。
労基法37条5項、労基法施行規則21条に残業代(割増賃金)が掲げられていないせいか、残業代(割増賃金)の趣旨で支給する手当についてまで基礎賃金に含めて残業代(割増賃金)を計算したり、基準内賃金扱いにしたりしている賃金規程が散見されます。しかし、残業代(割増賃金)の趣旨で支給する手当を割増賃金計算の基礎に算入したり、基準内賃金扱いにしたのでは、当該手当が残業代(割増賃金)請求対策のために形式的に残業代(割増賃金)の趣旨と規定しているだけであって、実質は残業代(割増賃金)の趣旨を有していないと認定される方向に作用する一事情となってしまいます。
弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎