労働問題202 残業に関する相談にはどのようなものが多いですか。

 以前は、残業するよう指示しても残業してもらえなくて困っているといった紛争が多かったようですが、最近ではそういった相談はほとんどありません。最近多いのは、(不必要に)残業をして残業代を請求してきたり、長時間の残業によりうつ病になったから損害を賠償して欲しいと請求してきたりする(退職した)社員の対応などです。
 つまり、最近の経営者は、社員にどうやって残業してもらうかで悩んでいるのではなく、残業した(と主張する)社員からの残業代請求や、うつ病になった(と主張する)社員の対応で悩んでいるというのが実情です。社員が、所定労働時間外に長時間、仕事をするスペースに残っている状態は、使用者にとって「リスク」であるということをよく理解する必要があります。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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