労働問題179 有期労働契約関係の実態を評価する際には、どのような要素に着目すべきですか。

 「有期労働契約の反復更新に関する調査研究会報告」によれば、裁判例における判断の過程をみると、主に次の6項目に関して、当該契約関係の実態に評価を加えているものとされています。

 業務の客観的内容
 従事する仕事の種類・内容・勤務の形態(業務内容の恒常性・臨時性、業務内容についての正社員との同一性の有無等)

 契約上の地位の性格
 契約上の地位の基幹性・臨時性(例えば、嘱託、非常勤講師等は地位の臨時性が認められる。)、労働条件についての正社員との同一性の有無等

 当事者の主観的態様
 継続雇用を期待させる当事者の言動・認識の有無・程度等(採用に際しての雇用契約の期間や、更新ないし継続雇用の見込み等についての雇主側からの説明等)

 更新の手続・実態
 契約更新の状況(反復更新の有無・回数、勤続年数等)、契約更新時における手続の厳格性の程度(更新手続の有無・時期・方法、更新の可否の判断方法等)

 他の労働者の更新状況
 同様の地位にある他の労働者の雇止めの有無等

 その他
 有期労働契約を締結した経緯、勤続年数・年齢等の上限の設定等

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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