労働問題173 労契法19条2号では、更新に対する合理的期待の判断時期が「当該有期労働契約の契約期間の満了時」であると規定されましたが、従来の雇止め法理と異なる解釈がなされると思いますか。

 労契法192号では、更新に対する合理的期待の判断時期が「当該有期労働契約の契約期間の満了時」であると規定されています。これは従来の雇止め法理では明示されていなかった要件です。
 新たな要件が明示されたことで、従来の雇止め法理と異なる解釈がなされるのかどうかが問題となりますが、ほとんど結論に影響がないのではないかと思います。
 基発08102号平成24810日「労働契約法の施行について」では、「なお、法第19条第2号の『満了時に』は、雇止めに関する裁判例における判断と同様、『満了時』における合理的期待の有無は、最初の有期労働契約の締結時から雇止めされた有期労働契約の満了時までの間におけるあらゆる事情が総合的に勘案されることを明らかにするために規定したものであること。したがって、いったん、労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていたにもかかわらず、当該有期労働契約の契約期間の満了前に使用者が更新年数や更新回数の上限などを一方的に宣言したとしても、そのことのみをもって直ちに同号の該当性が否定されることにはならないと解されるものであること。」とされています。

弁護士法人四谷麹町法律事務所
代表弁護士 藤田 進太郎

 

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